Case Study
ECUソフトウェア開発
複雑化するECU開発に求められる“明確な要求”と“高品質”
車載ECUソフトウェア開発では、複雑な仕様や頻繁な変更により、要求の曖昧さが発生しやすく、品質や納期に影響を及ぼします。特に、要求と設計・実装・評価の各工程が分断されている場合、手戻りや不具合の原因となることがあります。
当社では、こうした課題に対し、要求分析から評価までを一貫して対応することで、開発の効率化と品質の安定化を図っています。車載ソフトウェア開発における豊富な実績と専門知識を活かし、短期間での立ち上げと高いトレサビリティを実現しています。

工程をつなぎ、品質を守る 一貫対応による開発体制
当社では、要求分析から設計・実装・評価までを一貫して対応することで、工程間の分断を防ぎ、要求の曖昧さを排除しています。構造設計では将来的な変更に強いモジュール配置を行い、非機能要件も設計段階で反映。UMLやフローチャートを用いた設計書により、可読性と再利用性を確保しています。実装はSimulinkモデルやC言語を用いて精度の高いソフトウェアを構築。レビュー体制を整備し、設計・実装段階での不具合を早期に発見します。評価では、単体・結合・総合テストを網羅し、テスト自動化やシナリオベース設計により、継続的な品質保証を実現しています。

将来を見据えた設計と、品質を支える評価体制の実装
将来の機能追加に備えた柔軟なモジュール構造設計の実施
ある車載制御ソフトウェアの開発において、将来的な機能追加や仕様変更に対応できる柔軟な構造設計を実施しました。初期段階で機能の分割や役割の整理を行い、モジュール間の依存関係を最小限に抑えることで、保守性と拡張性を両立。UML(シーケンス図、ステートチャートなど)を活用して設計書を作成し、仕様の可視化と再利用性を高めました。複数ドメインの技術者が連携することで、コストと開発効率のバランスを取りながら、品質を確保した設計を実現しています。
MILS環境を活用した結合テストとシナリオベース評価の実施
ある車載制御ユニットの開発において、結合テストの初期段階ではMILS(Model-in-the-Loop Simulation)環境を活用し、モデルベースでの評価を実施しました。
構造設計で定義したインターフェース仕様に基づき、モジュール間の連携をシナリオベースで検証。仕様の不整合や連携不具合を早期に発見し、テスト自動化によって継続的な品質保証体制を構築しました。MILSにより、実機依存を排除した柔軟なテスト設計が可能となり、初期段階からの品質確保に貢献しています。

設計の柔軟性と評価の信頼性がもたらす開発効率と品質向上
柔軟な構造設計により、将来的な機能追加や仕様変更にも対応可能なソフトウェア基盤を構築。設計書の可視化と再利用性の高さは、他プロジェクトへの展開にも貢献しています。評価工程では、モック・スタブや通信評価規定に基づくテスト設計により、実使用環境に即した検証を実現。テスト自動化とシナリオ設計により、継続的な品質保証と迅速な不具合対応が可能となり、開発効率と品質の両立を達成しました。
弊社ならびに各種事業に関するご意見、ご相談、ご質問などにつきましては、
お問い合わせフォームよりご連絡ください