Case Study

ソフトウェア開発補助ツール

複雑なCAN通信の検証作業

ある自動車関連企業では、車載機器のソフトウェア開発において、CAN通信の検証作業が大きな課題となっていました。
通信内容の整合性確認は手作業で行われており、検証漏れや人的ミスが頻発。開発現場では複雑な通信仕様に対応できる「現場に合った専用ツール」の必要性が高まっていました。

CAN通信テスト自動化ツールを提供

そこで、顧客の開発環境と通信仕様に完全に合わせたCAN通信テスト自動化ツールをワンオフで開発。以下のような機能を実装し、現場の課題に直接アプローチしました。

  • 仮想通信ノードの構築
  • ソフトウェアの振る舞いに基づくシナリオの作成
  • 通信ログの自動収集・解析
  • 通信内容の仕様に基づく自動判定
  • GUIベースの操作画面で誰でも使える設計
  • 通信プロトコルの拡張に対応

通信環境の仮想構築および通信内容の自動判定

顧客要望を反映した通信環境の仮想構築

顧客から「通信ログの確認作業を自動化したい」、「エラーが発生した際は詳細を出力して欲しい」などの要望を受け、CAN通信を仮想的に再現する環境を構築しました。仮想ノードがECUの代替として通信を行い、仕様に基づいたフレーム送受信やタイミング調整を行えるようにしました。さらに、エラー応答や通信断などの異常シナリオも設定できるようにし、開発者が実機なしで多様な検証を行える柔軟な環境を実現しました。

様々な通信パターンを検知し、通信を自動判定

CAN通信における多様な通信パターン(正常なフレーム、遅延、通信断、エラーフレームなど)を網羅的に検知できるよう、リアルタイム解析機能を搭載したツールを開発しました。通信ログは自動で収集・分類され、仕様に基づいた判定ロジックにより、異常の種類や発生タイミングを即座に可視化します。シナリオ上で判定条件を柔軟に設定できるため、開発者自身が検証シナリオを構築可能です。

効率的な検証作業を実現

導入前は、CAN通信ログの収集・確認・判定をすべて手作業で行っており、異常系の検証には熟練者の経験が必要でした。通信タイミングのズレやエラーフレームの検出も困難で、検証漏れが発生することもありました。
導入後は、シナリオ上で検証条件を簡単に設定でき、通信ログの自動収集とリアルタイム解析により、異常検知が即座に可能となりました。検証結果は自動でCSV形式で出力され、他者との情報共有にも活用できるようになりました。

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